WindowsPCには顔認証のみが搭載されており指紋認証には対応していない、ということがある。また、デスクトップPCにおいては生体認証がそもそも搭載されないことが多い。しかし昨今はマスクをして作業をすることも多く、顔認証や指紋認証が使えないストレスをお持ちの方はいないだろうか。今回はそんな面倒くささを回避できるガジェットを紹介する。
指紋認証は外付けできる
画像のように、USBを外付けするデバイスが数多く販売されている。これらのデバイスはUSBポートに差し込むだけで利用できる。デバイスによるが、ドライバのインストールが必要な物と不要なものに分けられる。今回購入したのはドライバインストールが必要ないモデルだ。
今回は指紋認証デバイスとしてArcaniteから販売されている「AKFSD-07 USB Fingerprint Reader」を購入したのでご紹介していこう。
外観
外観は英語オンリーといった感じで、パッケージはシンプルだ。
パッケージを開封するとアルミのような筐体が見え、質感がよい。正面にはロゴがあり、背面に指紋リーダが搭載されている。指紋リーダは黒い面にマッドなパネルが搭載されており、触れても指紋が残らないような材質だ。恐らく静電容量方式であり、PC搭載の指紋リーダなどと同じ方式である。
PCに搭載させた様子
PCに搭載してみると、ワイヤレスマウスのレシーバー程度の大きさだ。そこまで邪魔にはならず、常駐させておいても気にならない。超薄型PCでは若干床と干渉するかもしれないので確認していただきたいが、ほとんどのPCで搭載可能だろう。
指紋リーダとして設定する
PCに認識されているかの確認
PCへの登録は非常に簡単だ。そもそもこのモデルはドライバのインストールが必要ないため、ポートに挿入するだけで指紋リーダとして認識される。認識されているかは「Windowsボタン>右クリック>デバイスマネージャー>生体認証デバイス」に登録があれば大丈夫だ。製品の対応はWindows10までだが、Windows11は事実上Windows10の22H2大型アップデートなので内部構造は変わらないのだろう。
PCに生体認証を登録する
PCに指紋を登録するには「設定>アカウント>サインインオプション>指紋認識>セットアップ」から行える。
【登録完了】実際の性能は?
認証速度は実に早い。登録していない指紋や他人の指紋を誤認証することもなく、快適だ。画像のGIFは動画を変換したものなので、認証時間とタイミングは実時間と等しい。0.05secでの認証というのは本当のようだ。爆速過ぎて認証しているのかと不安になるが、大丈夫であった。
本製品はUSBハブを介しても利用できる。デスクトップPCなどWindows Helloを搭載していない端末を一気にレベルアップすることができる。特に顔認証を搭載しているPCの場合、PIN入力に切り替わるまで待ったり操作してPINに持ち込むのが非常に面倒だ。このロスな時間が一切発生しないのはPCのQOLが爆上がり。全員に導入していただきたい。
また、Amazonの商品サイトにあるようにどの向きから触れても認証できた。向きが異なっても認証できるため、PCのポートを左右変えたりUSBハブを用いた場合も安心だろう。
ただしデメリットも。
この指紋認証デバイスは通常のスリープモードや再起動、シャットダウンからの復帰では問題なく使えるが、唯一「休止状態」からの復帰時にデバイス自体を認識しなくなってしまうことがよくある。ただし休止状態はWindows11から非表示となり、ショートカットを使ったりあとから設定を蘇らせないと使えないため影響を受ける人はごく僅かだと思うが、私はそれに当てはまってしまった。休止状態が便利すぎてスリープを使えない人間になっているので、苦しいところだ。それ以外の不具合に遭遇したことは無いので、安心して使えるだろう。仮に認識しなかったとしても全ての設定は保持されているので、いったん抜いて刺しなおせばなんの問題もない。
この「Arcanite」なんてメーカー知らない。→日本企業でした
きちんと使えるか?聞いたことのないメーカーは大丈夫なのかと思い購入前にメーカーについて調べて見たので備忘録をまとめておく。
GISH JAPAN Group Companyというグループ会社であった
Arcaniteは主に海外向けに製品を展開しているようで、会社概要には「Gish Japan “GJP” was founded in 2001. GJP is an electronics company located in Tokyo, Japan. GJP’s primary operations are distribution in the Japan Area. GJP currently carries products in the categories of Mobile Electronics, Personal Computers, Automotive Electronics, and Memory-Related Products.GJP has a high coverage of retail & online channels across the Japan Market.GJP is a part of the Gish Group in various joint ventures.」とある。要約すると東京にあるエレクトロニクス企業で、日本を含む諸外国へ製品を販売しているらしい。
東京都豊島区に本社を置く企業らしいがそれ以上の情報はなく詳細不明。とにかく日本のやつならそこそこ使えるだろうというのが購入前の私の事前調査だ。実際にキチンと使えたので問題ない。
まとめ
休止状態からの復帰で認識しなくなる不具合もあるものの、ログイン処理を一発でパスできるQOLの上がり方は半端でない。PC購入時に指紋認証がオプションの場合、平気で1万円ほど上乗せされることもあるがこれなら2千円前後だ。最近はやりの「パスキー」を使う場合にも役立つと思うので、顔認証しかなくて困っている人、デスクトップPCでPIN入力が面倒な方々はぜひ検討していただきたい。